10年以上前までは、両親と弟と仲睦まじく暮らしていたのだが、
ある日両親が普段通り食料を探しに出かけ、それきり家に帰らなくなってしまった。
近所に住んでいる同種族からは「ニンゲンに捕まってしまったのだろう」と言われ、
その時に両親が家に帰ってくることはほぼ有り得ないことだと思い知らされる。

自分はある程度物心が付いている年齢だったのですぐに切り替えることができたが、
弟はまだ幼く、両親に起きた事ついて説明しても理解できないようだった。
（※別にこの頃から頭が悪かったとかそういう訳ではないです）
弟がそのことを理解できるようになるまでは、両親は「まだ出かけている」と言い、
両親の分まで弟の面倒を見るように、弟に目一杯愛情を注いで育てるよう心掛けた。

10年近くも弟のために・弟主体で生活してきたせいか、自分のことは二の次になってしまい、
また、何かと深く考えると悪い方向にばかり考えてしまうので、考えすぎないようになってしまった。
両親との別れが、控えめでさっぱりとしている現在のバールージュの人格形成に繋がっている。

普段行っていた両親の食料調達や家事などを自分がしなければならなくなったため、
食料調達のための戦闘技術を身に付け、主夫といっても過言がないレベルに家事をこなすようになった。
どちらも一朝一夕でモノにしたわけではなく、周囲の人々に助けられながら…という状況であった。
まともに食料を調達できなかったり、食べ物と呼べないような料理を作ったことも、最初の内は少なからずあって、
弟には「マズい」だの「かあちゃんのメシがたべたい」だのと言われて落ち込むこともあった。
…が、数か月後には若干怒られながらもおかわりされるくれいには上達し、数年後には弟も絶賛するほどの成長を遂げた。
育ち盛りで鍛錬バカな弟は「ウマいメシをたらふく食えるッ！幸せだッ！」と喜びの声を上げている。

ファクティスとのなれそめとかはまた後日追記します…。

【閉じる】